【蜘蛛の糸】



 今にして思えば

 取り敢えずの蜘蛛の糸

 お釈迦様も、お忙しかったに違いない



 地の底で

 やっと膝をつけられるようになった頃

 唐突に

 それは目の前に落ちてきた



 おもわず

 しがみついてしまった



 闇になれた眼には

 それが何であったのかよく分からなかったし

 何でも良かったのかもしれない



 後悔はしていない

 そのとき、生きる事を選んだのだろう