【しあわせのかたち】




辛いのは貴方だけじゃない


何度 言われた事でしょう



私だけが辛いなどとは思っていません


だからといって ほかに辛い人がいるからといって


この悲しみが消えるものでもありません



のほほんとしていると言われるけれど


私は 私なりの 勇気をもって暮らしています



知っています


多くの方たちが


悲しみを表に出さず暮らしているのを


そして その方たちが時折見せる涙を


生きている限り 涙は枯れないのでしょう


そして そう考えると


言いようもないほど悲しくなります




友がいます


人の心の奥底に


土足で入ってくるような


そんな人ではありません



夏の夜


互いに酒を酌み交わし


ふざけた話に打ち興じます



喜びも それなりに


悲しみも それなりに


なにもかも そこそこに


そして いま


こうして生きている


だから そう


幸せとは こんなものなのかもしれません



                   (散歩の途中で)