迷いネコ




街を歩いていたら、「迷い猫」の張り紙を見つけた。
アメリカンショートヘアの子どもらしい。 

飼い主が見つからなきゃ私が貰いたいわ~
なんて思ったけど、
しかし、ひとりくらしのマンション住まい 

ペットはやはり無理かな~~。




などと考えていたら、
その昔、私も張り紙をして回ったことを思い出した。


もう35年くらい前になるのだろうか。
まだ横浜の家で、家族全員が元気だった頃、 

それは五月の連休の最後の日、雨がしとしとと降っていた。
夕方に近い時間だったと思う。


ふと庭先を見ると、一匹の白い犬がテラスに座っていた。


私が声をかけても動こうともしなかった。
よほど疲れていたんだろう・・
その日は ご飯を食べさせてゆっくり休ませた。


そして次の朝
その犬は我が家を住処と勝手に決めたらしかった。


夫や子ども達と手分けして「迷い犬」の張り紙をして回ったけれど、
飼い主は一向に現れず、
犬の方は居候の身分をしっかり受け止めて 、
忠実に我が家の番犬役をこなしていたのだった。


年より犬だと思ったのだけれど、疲れ果てていただけだったらしい。


娘がチェロという名前を付けて、
それから15年
我が家の一員として暮らした。


仔犬時代を知らないのと、
割合大きな体をしていたので、
ペットなどという愛らしさはあまりなかったけれど、
頭のいい犬だったなぁ ・・
と、今でも懐かしく思う。


そうそう、チェロは雌犬で、
そのしぐさがそこはかとなく色っぽかったっけ・・^^




などとしばし思い出に浸っていたが 、


人の思い出ってどうなってしまうんだろうね。


ひとりひとりみんな思い出は違うのだけれど、
誰も引き継いだりは 出来ないし、


あまり悲しい思い出は引き継いでもらわない方がいいけれどね。



今日は快晴
昨日の雨が嘘のよう


迷いネコちゃん 飼い主が見つかったかなぁ~。





(=^・^=)