「初恋」





村下孝蔵 - 初恋




あのね


恋をしたの


紺色の制服にショートカットの女学生だった頃



なかなか打ち明けられなくて・・


でもついにやりました!


部活の帰りのバス停で


ひとりでいるところを見つけちゃったから


心臓が口から出そうだった


こんな勇気があるなんて


自分でもびっくり!


 「一緒に帰ってくださいませんか?」


  返事は勿論 OK!



恋の悲しみを知ったのはその日から・・


無口なあの人は、決して気持ちを話してくれなかったし


私も、黙ってついて歩いていただけだったもの



そして、受験の時期を迎えて


いつの間にやら、逢うことも無くなった




ずいぶん経ってからクラス会で逢った


ドキッ!


また恋が始るかなと、少し期待はしたけれど


そうはならなかった



初恋は 恋そのものに恋をしていたのよね



ときめき、震える心 浮き立つ想い、やるせない悲しみ


みんな 今でも心の引き出しに大切に閉まってあるの


いつかまた、引き出しを開けることがあるかもしれないもの



そうよ


いつかまた・・・