【パシフイック・ホテル】


洗濯物を干しながら 青い空を見上げていました


ふっと 風が後ろ髪を撫でてゆきました


振り返ればその先に 二十歳のわたし



パシフィック・ホテル



夏も終わりに近いころ


プールサイドに座ってた


恋人たちがさんざめくその中で


二人並んで座ってた


少しだけ冷たくなった潮風が水面を渡り


二人して足をゆらゆら水面をゆする


こころゆらゆら 恋の予感がしあわせだった



秋風がたち 木枯らしが吹き


そうして季節は過ぎて行く




パシフィック・ホテル


夢の中だけに立つ 海辺のホテル