命日
前日来の雨が
ようやく上がったその日の朝早く
貴方と息子と私と三人で家に帰りましたね。
それから、もう19年経ってしまいました。
長かったのか、短かったのか。
昨日の事のようでもあり、はるか霧の彼方の事のようでもあり。
ともあれ
19年間、たいした病気もせずここまでやってきました。
見守っていてくれるから?
そうなのかな? わからない。。。
19年間、何もなかったわけでもない。
親しい人たちが随分私の傍からそちらへ行ってしまったし。
けれどもね、
貴方がいなくなってから、いろんなことをはじめました。
きっと、知ったら吃驚するよね。
呆れてるかもしれないね。
家も売っちゃって引越しもしたし。
なぜか お琴なんか始めちゃったし。
そしてパソコンにコーラスに お酒も覚えました。
子供たちはね、大丈夫。 なんとかやっています。
心配かけられることもあるけれど、そりゃ親ですものね。
あの日から変わらないのは、ずっとひとりのままだってこと 。
なんだろね・・
最近、少し疲れたかなって気もするの。
今日あったことやなんか、喋ってみたいじゃない。
バカだのなんだの言ったり言われたりしたいじゃない。
でも、ま、しょうがないですよね。
この生活が性分に合ってるみたいだし。
大好きだったサクランボと葡萄を仏壇に供えましょう。
明日になったら 私がいただきます。
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