【花】




他人のあなたを そこにみた


長い月日を共にいて


知らないあなたをそこにみた


何を残して逝ったのか




その花は、まだ生き生きと


そこにあり


花を手向けるその人は


どんな手をしているのだろうか




花生けに


私の花を重ねて入れた


線香の煙が


静かに揺れて昇っていった








あれから幾つも年が過ぎ


そうして、ふっと思い出す


あの彼岸の日のことを


ほんとに、たまに・・


のことだけど